2019/7/24

『次期英首相最有力のジョンソン氏、薫製ニシンでEU批判もあっさり返り討ち』 https://www.afpbb.com/articles/-/3235933

これぞまさにred herringだ……と思ったら、フィナンシャルタイムズもやっぱりそう書いてた。> "Boris Johnson’s kipper claim is red herring, says EU"

https://www.ft.com/content/1ba5b9c4-a954-11e9-b6ee-3cdf3174eb89

 

はてなブログWYSIWYGな編集画面やばい。別のウェブページからコピー&ペーストしてきたらフォントの大きさや色まで持って来やがる。おまえはMicrosoft Wordかよ。

 

『自覚症状があり自ら医療機関を受診してがんと分かった例や、就職先の健康診断で見つかった例があったという』

会社の健康診断で甲状腺の超音波エコーを実施したりはしないと思うので、問診時に見て分かるくらいの大きさになっていたということなのかしら……

https://this.kiji.is/526605649401578593

 

ツイッター代わりのやつ(あとで消します)

私が書いてるのは「私はHPVワクチンの被害者のことを問題にしている。そのせいで反ワクチンの勢力が増えようが知ったことではない」なので、NATROMせんせいも「私は検診の害について問題にしている。それを主張することで有症状者が受診を躊躇おうが知ったことではない」と書けばいいだけなのでは。
https://b.hatena.ne.jp/entry/s/twitter.com/flurry/status/1148848391318724609

 

個々の患者にとっての利益と住民全体の利益は異なるとか、正義や公正の問題と「利益」もまた異なるとか、なんかそういうさー。もっと真面目にやってよねー。

 

すげえ。目からビームが出ている。おれの。

https://twitter.com/nnago/status/1148606846388834305

(お知らせ)ツイッターのアカウントにつきまして

現在アカウントがロックされておりまして問い合わせ中です。通報によるアカウント凍結とかではないですが、他の要素(たとえば反ワクチンだと読めるツイートをしたとか)との合わせ技という可能性は……その、どうなんでしょう……

たぶん最速で2日後くらいに戻ってくると思いますので、皆さまもお気になさらず。

(7/22追記)ぜんぜん戻ってきてませんねハイ。まあそのうちにということで、気長にお待ちください。

(7/23追記)アカウントロックについて何人かのかたに話題にしていただいているのだけど、皆さまこのページにはたどり着いておられないようだ。悲しい。

(7/23追記)いまのところツイッター休暇を大いに満喫している感じです。アーティストの最新情報の確認とかをツイッターに依存してたので困るとかはありますが。

(7/23追記)『通報によるアカウント凍結とかではない』と明記してるんですが、ちゃんと読まれているのか不安になってきました。

(7/25追記)復帰しましたハイ。

「複数の学術団体が出した報告書」?

この辺の話題について気になった点をすこし。比較的重箱の隅系。
http://members.jcom.home.ne.jp/natrom/consensus.html
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130829#p1
http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130907#p1
http://d.hatena.ne.jp/sivad/20130912/p1

NATROMさんは、"Indoor Air Pollution: An Introduction for Health Professionals"*1のことを「複数の学術団体が出した報告書」などと書いていますし、一方でsivadさんは「AMA1994年報告書」などと書いています。

  • この文書は医療従事者向けのブックレット(小冊子)「手引き」であって公的な報告書ではない気がします。MCSに批判的なQuackwatchのStephen Barrettも同様の指摘をしていたと思います。*2
    • ひょっとしたら、何かこのブックレットの元になる報告書があって、私がそれを知らないだけかもしれません。ご存じのかたはよろしくお願いいたします。
    • ですので、このブックレットの該当部分においてはMCSおよびClinical Ecologistに対して比較的好意的、擁護的(この辺の書きかたは難しいですが)な記述がされていると私は読みましたが、それがたとえば「1994年にAMAがMCSを公認しClinical Ecologistを公的に擁護していた」とか、そういったことを意味するとは思いません。
  • あと、このブックレットは"Co-sponsored by: The American Lung Association (ALA), The Environmental Protection Agency (EPA),The Consumer Product Safety Commission (CPSC), and The American Medical Association (AMA)"ですが、それぞれ、肺の健康を促進するための非営利団体*3環境省(政府機関)、消費者製品安全委員会(政府機関)、アメリカ医師会であって、学会などの学術団体ではない気がします。あとAMA単独での冊子でもないかと。
    • AMAはJAMAという権威のある学術雑誌を発行しているように学術的な性格も強いっぽいですが。あと、学術団体でないから言ってることが正しくないとかそういうことを言いたいわけではないです。とりあえず書きかたの問題ということで。

問題となってるFAQの内容自体についてはまた今度。

*1:http://www.epa.gov/iaq/pubs/hpguide.html

*2:http://www.quackwatch.org/01QuackeryRelatedTopics/nejac.html

*3:余談ですが、もともとは結核対策に取り組んでいた団体で複十字マークを使っています。http://www.lung.org

(メモ)確定診断とかゴールド・スタンダードとか

  • 【注意】筆者は医療関係者ではありません。個人的なメモであり、内容が正しいかどうかについてはまったく保証しません。

経緯

北里大学の坂部氏による発言の解釈をめぐるところから議論がスタートします。(実際のツイートについては、この辺りからたどっていただけると。ただ、枝分かれしているのでたどるのが大変かもしれません。https://twitter.com/flurry/status/361317630688243712

クリーンルームでの確定診断】
「(クリーンルーム内での二重盲検に基づく負荷試験による)検査が最も確定的で客観性のある検査だと考えています」
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2002dir/n2510dir/n2510_03.htm

  • (この発言についての私の主張)
    • 「確定診断」(下の用例1)とあるので、「疾患である」ことを示す検査であっても、「疾患ではない」ことを示す検査ではないのではないか。
    • つまり「検査が陽性→疾患である」は言えても「検査が陰性→疾患ではない」は言えないのではないか。

この議論から派生して、以下の論文概要をどう解釈するかが現在の焦点となっています。

診断のゴールド・スタンダードは負荷試験であるが,これも自覚症状の変化を判定の目安として使わざるを得ない.そういう制約はあるが,我々の施設ではこれまで化学物質負荷試験を,確定診断の目的で施行してきた.
http://jja.jsaweb.jp/2009/058020112j.html

坂部氏の文章の解釈を問題としたときと同様に、

  • (私)「確定診断とあるので、『検査が陰性→疾患ではない』は言えない」
  • (NATROMさん)「ゴールドスタンダードと書かれているので『検査が陰性→疾患ではない』となる」

となります。

「確定診断」について

  • 用例1(私の現時点での理解)
    • 「○○という病気である」と診断すること。「○○という病気ではない」という診断(除外診断)とは別。検査の場合は「検査が陽性 → ○○という病気である」ということになる。
    • 検査が陰性だった場合に何も言えないということは意味していません。何かしらの蓋然性に基づく情報なりが得られるのではないでしょうか。
  • 用例2(?)
    • よく知らないのですが、「確定診断」の一語で除外診断も同時に意味するという用法もあったりするんでしょうか?

「ゴールドスタンダード」について

この用語の意味がわからなかったので簡単に調べてみました(本当はNATROMさんにどこか出典を示してもらうのがいいと思うのですが)以下は現段階での私の理解です。

  • 用例1(「標準的な手法」)
    • 先日「ステッドマン医学大辞典」を立ち読みしたところ、「信頼度が十分に高く、医師間で標準とみなされた手法を指す俗語」みたいなことが書いてあった気がします。うろ覚えですが。まあ、これは英語の意味から類推しやすい気がします。
      • (追記)コメント欄で教えていただきました。本質的ではないと思いますが、かなり違いますね……
  • 用例2(「参照基準」)

定義上、ある診断方法をゴールドスタンダードと定めると、その診断法は感度100%特異度100%の検査だということになります。「その診断方法を基準にしましょう」という意味。
http://twitter.com/NATROM/status/362502353808658434

    • EBMとか臨床疫学とか臨床研究デザインの分野とかだと、ゴールドスタンダードという用語は、用例1に加えてさらに「基準となる検査方法」という特別な意味を持つようです。何を測るための基準=モノサシかというと、「他の」検査方法の信頼性になります。
    • たとえば、悪性腫瘍の診断に際して、組織の病理検査(一般的に「決め手」とされるが、患者への負担が大きいし、そもそも実際に手術しないとならなかったり)をゴールドスタンダード=基準にして、何らかの血液検査(患者への負担が小さい)による診断について評価するといった場合ですね。
    • ある検査手法の正しさを評価する際には、「診断:陽性/陰性、病気:あり/なし」( http://d.hatena.ne.jp/NATROM/20130314 )の2×2の表を用います。ここで「でも、そもそも病気のあり/なしって、どうやって見分けるの?」という疑問が湧いてきますが、「病気である=ゴールドスタンダードで陽性」「病気でない=ゴールドスタンダードで陰性」と、とりあえず『定義』することで、その検査手法について(ゴールドスタンダードと比較した)正しさを評価することが出来るようになるわけですね。
      • (ここの書きかためんどい……)

で、「負荷試験がゴールドスタンダードである」と書いてある→「検査で陰性→疾患ではない」は言える?

で、くだんの論文概要( http://jja.jsaweb.jp/2009/058020112j.html )に話題を戻します。現段階での私の意見はこんな感じでしょうか。

  • (以前からの主張)「確定診断」とあるので、「検査が陰性→疾患ではない」は言えないのでは。
  • 彼らが実施してきた負荷試験は標準化されているようには見えないし(「プロトコルの標準化が行われるべきである」みたいに結論に書いてあるので、世の中一般にもまだ存在してないように見える)ここでの「ゴールドスタンダード」を(用例2)のような狭い意味で解釈するのは難しいのではないか。
  • (もし、仮に)「該当部分は『何らかの適切にデザインされた負荷試験はゴールドスタンダード(用例2)たりうる』 という信念について述べているにすぎない」と解釈してみたとしても……
    • いやそれ、何を意味するの……っていう。めんどいので後まわし。