コマーシャルさえもこの緊迫感に貢献している。コマーシャルの前に我々は、ドラマの場面内にあるデジタル時計の数字が「7:46」であるのを見る。番組が再開されたとき、その数字は「7:51」となっている。我々視聴者にとっての実時間における番組中断と正確に同じ時間だけ、ドラマの場面描写も――あたかもコマーシャルを見ている間にも事件が進行していたかのように、一時的に欠落するのだ。
 この演出によって、現在進行中の場面があまりに切迫しているために視聴者の実時間にまで溢れ出ててきたかのような効果がもたらされる。コマーシャルですらそれを妨げることが出来ないのだ。