良く知られている逸話(アネクドート)によると、何らかの迷信的な考え(たとえば、自分たちは魚や鳥の子孫であるとか)を持っていると思われる「未開人」を研究している人類学者が、彼らがそのような考えを「本当に」信じているのかどうかを直接訊ねてみた。彼らは答えた。
「もちろんそんなことは無いよ。僕らはバカじゃないんだ! ――でも、ご先祖様のうちの何人かは本当に信じていたと聞いてるよ」
 要するに、未開人たちは自らの信念を「他人が信じているもの」へと移し替えたのだ。