ブッシュの勝利は、先進西欧諸国の間における利益の団結についての幻想を吹き飛ばしてしまうであろう。それは、欧州連合またはラテンアメリカにおけるメルコスールのような新しい同盟を強化する際の、痛みを伴うが必要なプロセスに新しい刺激を与えてくれるであろう。
 自らのregulatory Welfare State illusionsに足を取られている「古いヨーロッパ」に対して、アメリカ資本主義のポストモダニズム的な活力を賞賛するのは、扇情的な決まり文句である。しかし政治組織の領域においては、ヨーロッパは現在アメリカ合衆国よりもはるか先へと進んでいて、地理的または文化的に独立ないかなるひとにも場所を与えることができるような、先例のないまさしくポストモダニズム的な国家横断的な集団として自らを構成しつつある。
 つまり、絶望する理由は存在しない。今日における見通しは暗いかもしれない。しかしながら、偉大なブッシュイズムのうちの一つを思い出してみよう――「明日は良くなるだろう」