オバマが「希望を抱くことの勇敢さ」*1「私たちが信じることが出来る改革」*2について語るとき、具体的な内容を欠いた改革というレトリックを彼は使っている。何のために希望を抱くのか? 何を改革するのか?
 オバマを偽善だと非難するべきではない。今日の世界における合衆国の複雑な状況を前提にするなら、新しい大統領が、経済の暴落や政治的反動を抜きにした実際的な改革を、どれほど提示することが出来るだろうか?
 しかし、そのような悲観的な見方は不十分である。私たちの国際情勢は確固たる現実だけでなく、イデオロギー的な輪郭(contour)によっても定義されているのだ。言い換えるならば我々の国際情勢は、口にすることが出来ることと出来ないこと、見えるものと見えないものによって定義されているのだ。

*1:"audacity to hope,"

*2:"a change we can believe in,"