バラック・オバマ上院議員にとっての危険とは、歴史的な検閲が後になってキング牧師に行ったことを、すでに自分自身について行いつつあることである。すなわち、選挙での選出可能性を確かなものとするために、彼の公約(program)から論争的な話題を消し去ってしまうことである。
 モンティ・パイソンの宗教パロディ映画「ライフ・オブ・ブライアン」における有名なダイアローグでは、キリストの時代のパレスチナにおいて、ユダヤ人の革命レジスタンス組織の指導者が、情熱的に「ローマ人はユダヤ人に悲惨のみを与えた」と訴える。彼の部下が「しかしながらローマ人は、教育を導入し、道路を建設し、灌漑設備を造り……」と意見すると、指導者は勝ち誇って話を結ぶ。「確かにそうだ。しかし、教育、ワイン、公衆秩序、道路、上水道、公衆衛生は別として、ローマ人は我々に何をしてくれたというのだ?」
 オバマの最近の声明も、これと同一の線に沿っているのではないだろうか? 「私は、ブッシュ政権時代と根本的に縁を切ることを支持します!」*1とは、つまるところ「ええ、そうですとも。私はイスラエルを無条件に支援すること、キューバへの制裁を継続すること、法を破った通信会社に訴追免除を与えることを誓います。しかしながら、今もなお私は、ブッシュ政権時代と根本的に縁を切ることを支持します!」ではないだろうか?

*1:原文は"I stand for a radical break with the Bush administration!"