ハリケーンカトリーナニューオーリンズを直撃したあとでの出来事は、この一連の「〜していると想定される誰か」に新たな例――略奪や強姦を行っていると想定される誰か――を付け加えた。
 我々は皆、社会秩序の崩壊、黒人による暴力の勃発、強姦と略奪についての噂(report)を覚えている。しかし、後に行われた調査によると、噂で伝えられたような暴行のほとんどは実際には起こっていなかった。不確かな噂をメディアは事実として報道した。たとえば9月3日に、ニューオーリンズ警察本部長はニューヨークタイムズ紙に、コンベンションセンターにおける状況について語った。
「彼らはコンベンションセンターの周囲を歩いている観光客に出会うやいなや略奪を行っている*1。彼らは殴りつけ、路地で観光客を強姦している」
 数週間後のインタビューにおいて彼は、衝撃的な自らの声明のうちの幾つかは虚偽であることが判明していることを認めた。
「いかなる殺人を記した公式報告も私たちは受けていない。強姦もしくは性的暴行に関しても同様だ」

*1:原文は"The tourists are walking around there, and as soon as these individuals see them, they ‘re being preyed upon."