でも、間違いないのは、その言葉「嫌い」って(明確な理由と回避方法を示さずに)言った瞬間にその周辺の議論だかなんだかはかなりごっそり持っていかれてしまうということ。
 んじゃ、思いついた「嫌いな」言葉を列挙してみますね。「理由」は上手く説明できないんだけど、でもこれらすべてに共通する要素というのがありそうです。


a)「リアル」「現実」
 うーん。この言葉に関するぐんにょり感てのは、結構いろんなひとに共有されている気がするんだけど、一口で言うのって難しいですにゃあ。
 じゃあ、リアルってなに?って「聞き返し」たくなる言葉の筆頭ではあります。


b)「虚構」「演じる」
 a)の反転としてのそれ。余計に始末におえない気もする。特に「ひとは虚構のなかで生きている」「演技することが人生だ」「虚構であるがゆえに、ときには現実よりもリアル」とか、そういうのがイヤ。


c)「共感」「感情移入」「同一化」

 マジックワード的な使い方はどうかと思うよ。もうちょっと解説してくれ。
d)「ダメ」「バカ」
 何かを評価するときの「そのダメなところがいいんじゃないですか」とか「バカさ加減が素晴らしい」という使い方がイヤ。


e)「物語」「遊ぶ」
 わー、難関だ。基本的にはb)と同じじゃないかなあ。c)の要素もあるんだけど。


f)「美しい」「面白い」
 うーん。一つにはこれらの言葉が「正しい」との対立関係で使われることがあって、その使われ方にぐんにょり。b)に近い感じ。
 もう一つはコンプレックスだったりするんですかね。あまりこういう評価をもらったことが無いんで。


 んでこれらに共通する「回避方法」なんですけど、「その言葉それ自体を使わずに、他の言葉で言い換えてみてはどうでしょう」ってことになるんでしょうか。
 僕がこれらの言葉が嫌いなのは、一つには、これらの言葉の使われ方の多くが、まさしく「言った瞬間にその周辺の議論がごっそり持っていってしまう」ものだからだと思うですよ。